「人工衛星軌道の最適な補間法」

武藤蔵 卒業レポート要旨

GPS-36、LAGEOS-1、Ajisai、Envisat の4種類の人工衛星の軌道データをもとに、3つの補間法(ラグランジュ補間、エルミート補間、3 次スプライン補間)の比較を行った。具体的には、補間の誤差のRMS及び最悪値が、位置で1 mm 未満、速度で 1 micron/s 未満という補間精度の条件を満たす補間ノードとデータセットの間隔の組み合わせを求めた。その結果、ラグランジュ補間、3 次スプライン補間に比べてエルミート補間は、補間ノードとデータ間隔の両方の基準に対して望ましい性質を持っていることが分かった。ただし、補間多項式の次数という観点で見た場合、間隔の短いデータセットを用いる場合には、エルミート補間よりもラグランジュ補間のほうが有利であるという結果も導かれた。

2012-muto-1 ラグランジュ補間の例.  GPS-36 衛星の Along-track 方向誤差.

2012-muto-2

エルミート補間の例.  GPS-36 衛星の Along-track 方向誤差.