森下尚耶 卒業論文要旨
SLR観測運用上の安全確保のため,ADS-Bを用いた航空機監視システムを試験的に開発することで,SLRシステムの導入・運用コストを将来的に低減することを目指した.本研究で開発したシステムは,安価な受信機と自作のソフトウェアによって構成され,ADS-Bの受信データから航空機の方位角・仰角を算出し,その結果をもとにSLRレーザの発射を停止するか否かの判定を行うものである.レーザ停止判定の基準は,独立に取得した撮影画像をもとに,ADS-Bデータの位置精度を調査して設定した.現状,ADS-B単独では,すべての航空機の捕捉は不可能であるが,ほかの航空機監視システムとの併用によって,SLR技術の安全確保も可能になることが見込まれる.