増田 瑛志 卒業論文要旨
本論文は、日本の株式市場と天候との関係を過去 10 年間の日次データを用いて分析したものである。伝統的ファイナンスにおいて、投資家が日々の天候に影響を受けて意思決定を行うというのは想定されない。しかし、多くの海外の先行研究では、短期間の天候と株式データとの間に有意な関係があることが示唆されている。本稿では、先行研究で多く用いられているインデックス(株価指数)データのみならず個別株価についても分析を行い、終値/収益率/出来高と気圧・降水量・積雪量などの間に有意な影響を見出した。また、気温と湿度を組み合わせた指標である不快指数を用いた分析でも有意な影響が見られ、複数の気象データを組み合わせて分析を行うことの可能性についても言及している。 なお、以下の表は説明変数と、それに対して有意な影響(正負)が見られた銘柄数を示している。