南極上空の全天画像から雲量を推定する機械学習モデルの開発と評価

川﨑隆弘 卒業論文要旨

本研究では機械学習の普及や開発コストの低下を背景に,南極上空の全天画像から雲量を推定する機械学習モデルの開発を試みた.これは雲量の推定を計算機に任せることで,衛星レーザ測距の将来的な運用コスト削減に貢献することを目指したものである.国立極地研究所から提供された南極・昭和基地上空の全天画像と気象庁公表の雲量データを教師データとし,学習モデルを構築した結果,雲量推定の誤差を平均して±1.8〜2.0まで縮めることができた.昼間・オーロラのない夜間・オーロラのある夜間の3つのケースに分け,さらに雲量の多寡と組み合わせて,雲量推定の安定度の評価も行った.